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RACEREPORT
2026.09.25

2026インタープロトシリーズPOWERED BY KeePer 第3・4戦レポート 2026年第2大会は卜部和久が2連勝! 雨の富士でプロ同士の激戦

2026インタープロトシリーズPOWERED BY KeePerの第2大会、第3戦・第4戦が9月5日(土)〜6日(日)、富士スピードウェイで開催された。開幕大会から約4カ月を経て迎えた今大会、インタープロトクラスには12台の「Kuruma」が集結した。前回大会で第1、2戦を連勝しランキングトップに立つ#88 佐々木大樹(Pastel Motorsport)を筆頭にお馴染みの顔ぶれが並ぶ中、全日本スーパーフォーミュラ選手権に参戦中の梅垣清が、#27 表参道メディカルクリニックでインタープロト初参戦となった。

 

公式予選

9月5日に行われた公式予選は、いつものプロクラス予選とは少し異なる展開となった。富士では長いストレートでのスリップストリームが大きな武器になる。各ドライバーは前後の位置関係を確認しながら隊列を作り、アタックに向けてタイヤを温めていくが、この日は低い路面温度によって最適なタイミングをつかむのが難しい。

佐々木、#37 牧野任祐(キーパー号)らを中心に集団が形成され、その後方に野尻智紀(人馬一体ドライビングアカデミー)も加わるなど、残り時間が少なくなるにつれて“場所取り”も激しくなっていった。

その中で一歩早くアタックへ移ったのが#3 卜部和久(INGING MOTORSPORT)だった。周囲がまだウォームアップを続けている段階からペースを上げ、1分45秒514をマーク。アタックするタイミングを的確に見極め、最後までこのタイムを破らせなかった。

2番手には#44 山下健太(NAVUL)が1分45秒797。さらにわずか0.006秒差の1分45秒803で#16 ロニー・クインタレッリ(ララパルーザ)が続き、卜部が第3戦のポールポジションを獲得した。一方、開幕大会で注目を集め今大会でも予選から期待された#32 小林利徠斗(NETZ NOVEL MIE)はアタック中にスピンもあり10番手。また今シーズン久々の参戦となった#55 野尻智紀(人馬一体ドライビングアカデミー)は、ジェントルマン予選でコースオフがあり、プロフェッショナル予選開始のタイミングではまだピットで修復作業が行われていた。走行はできたものの、本来のパフォーマンスを引き出すには至らず8番手となった。

 

Driver’s Voice

#3 卜部和久(INGING MOTORSPORT)

ポールポジション

「このレースウィーク、練習ではなかなかドライで走る機会がなかったんです。もちろん少しはあったのですが、原因はよく分からないのですが路面状況が悪く、タイムがなかなか出ませんでした。そのほかのセッションはウェットだったので、こんなにグリップしてタイムの出るドライコンディションで走るのは予選がぶっつけ本番という状況だったので、非常に難しい予選でした。ただ、エンジニアとたくさんディスカッションして、攻めたセットでトライしたことが結果につながりました。今回はここからぶっちぎりの2連勝を飾りたいですね」

 

第3戦決勝

9月6日。前日のドライコンディションから状況は一変した。決勝を前に雨脚は強まり、気温20.7度、路面温度21.3度。300Rをはじめコース上の各所には川ができ、グリッド上のドライバーからもハイドロプレーニングを警戒する声が聞かれた。第3戦は安全を考慮してセーフティカー(SC)スタートとなった。

ポールポジションは卜部。その横には山下、2列目にクインタレッリと#96 阪口晴南(K-tunes Racing)が並ぶ。SCが3周にわたって先導し、残り約9分というところでライトが消灯。そこから、一気にレースの緊張感が高まった。

先頭の卜部は最終コーナーまでタイヤに熱を入れながら後続の動きをうかがい、タイミングを計って加速。だが山下も離れない。ウォータースクリーンが上がる中、山下は何度も卜部との距離を縮め、トップ2台は序盤からハイペースで周回していった。

その後ろではクインタレッリに阪口晴南が仕掛け、コカ・コーラコーナーで3番手へ浮上。さらに中団でも、牧野、国本、野尻、小林、梅垣が互いの隙を狙い始める。ここで大きな存在感を示したのが、10番手スタートの小林だった。

小林はアドバンコーナーのブレーキング勝負から野尻に並ぶと、立ち上がりでのトラクションの良さを武器にポジションアップ。続いて牧野の背後へ迫った。そのオンボードから見えるのは、数メートル先のテールライトだけ。それでも小林はGRコーナーのアウト側から牧野に並び、前へ出る。

次に待っていたのは、開幕大会で勝利を重ねた佐々木だった。小林はコカ・コーラコーナーから100Rにかけて急速に距離を縮めると、300Rではイン側に小林、アウト側に佐々木のサイド・バイ・サイドへ。大量の水が残る300Rは、少しラインを外せばハイドロプレーニングを起こしかねない。それでも2台は横に並んだまま走り続け、ダンロップコーナー手前で小林が前へ。わずか3周で10番手から一気に4番手まで浮上した。

一方、先頭では卜部が山下のプレッシャーを受け続けるも、重要なポイントを確実に押さえてトップをキープ。ヘビーウェットコンディションのなか、序盤の山下の攻撃をしのぐと少しずつリードを築いていった。

レースは9周を前に規定時間に到達し、7周で終了。短いスプリントを逃げ切り、卜部がトップチェッカーを受けた。2位は山下、3位はクインタレッリ。小林は10番手から4位まで追い上げてフィニッシュした。予選でポールを獲得した卜部の強さだけでなく、小林が後方から次々とトップドライバーを攻略した、非常に密度の高い第3戦となった。

 

第4戦決勝

短いインターバルを挟んで行われた第4戦は、第3戦のゴール順がそのままスターティンググリッドになる。先頭は卜部。2番手山下、3番手クインタレッリ、そして第3戦で6台を抜いた小林が4番手につけた。

雨は依然として強く、第4戦もSCスタート。3周目にSCがコースを離れると、卜部は第3戦とは違うリスタートでの戦略を見せた。最終コーナーを立ち上がってから本格的に加速。後続のタイミングをずらしてトップを守った。

リスタート直後こそ3位のクインタレッリからわずかに離れた小林だったが、その遅れはすぐに取り戻す。300Rで今回はアウト側へマシンを振り、ダンロップまで続く攻防のすえに攻略。3番手に浮上すると、間髪入れず2番手の山下を追い始めた。

第3戦では10番手から4位。第4戦では早くも3番手へ。小林の勢いが、今度はトップ争いそのものを飲み込み始めていた。ところがGRコーナーのブレーキングで山下と小林が急接近。両車の接触を伴う攻防となり、小林はコースアウトしてガードレールに軽くヒット、第2大会での快進撃はここで幕を閉じることとなった。車両回収のためSCが導入された。

小林の車両回収のためセーフティカーが導入され、レースは一度小康状態を迎える。順位整理がされたことで、トップグループへ姿を現したのが今大会初参戦の梅垣だった。第3戦では2つ順位を上げて7位だった梅垣は、第4戦ではさらに速さを見せる。佐々木、牧野らとの争いを突破し、小林がリタイアした時点では4番手。目の前を走るのは、豊富な経験を持つクインタレッリだった。

SCが退き、残り2周で最後の勝負が始まる。トップの卜部は、この日3度目のリスタートでは2317コーナーから加速。毎回加速場所を変えることで後続に狙いを絞らせず、再びリードを築いた。

後方では2番手山下、3番手クインタレッリ、4番手梅垣が接近して、テール・トゥ・ノーズに。梅垣がクインタレッリに、クインタレッリが山下に迫るが、ポジションを変えるにはいたらなかった。

そして卜部がトップチェッカー。第3戦に続き、一度もトップを譲ることなく2連勝を達成した。2位は山下。トップとの差は1.830秒。3位ロニーは山下からわずか0.256秒差。そこから0.798秒差で、初参戦の梅垣が4位に入った。

 

ドライの公式予選では、アタックへ入るタイミングを読み切ってポールを獲得。翌日のヘビーウェットでは、刻々と変化する水量を読みながら、リスタートのたびに加速ポイントを変えて2レースを制した卜部和久。その一方で、数字上の順位以上に強烈な印象を残した小林の追い上げや、梅垣の躍進、山下とクインタレッリによる最後まで続いた表彰台争いも、第2大会を象徴するシーンとなった。

シーズンは次の第5戦・第6戦が最終大会。10月31日(土)〜11月1日(日)、再び富士スピードウェイを舞台に、2026年のタイトルを懸けた最終決戦を迎える。

 

Driver’s Voice

#3 卜部和久(INGING MOTORSPORT)

第3戦・第4戦 優勝

「レース1は雨量が増えたり減ったりして、何度も川に乗って飛んでいきそうになりました。300Rも普段なら全開で行けるところですが、今回は全然踏んでいけない状況でした。山下選手が序盤すごく速くて詰められましたが、守るところは守り、最終的にはリードを作ることができました。レース2もさらに雨量が増えて大変でしたが、リスクをうまくコントロールできたと思います。かなり神経を使いましたが、こういう経験は自分の糧になりますし、自信にもつながりました」

 

#44 山下健太(NAVUL)

第3戦・第4戦 2位

「レース1は雨がもっと強くなることを考えてタイヤの内圧を高めていたので、序盤勝負だと思っていました。トップについていけるペースはありましたが、なかなか抜くチャンスを作れませんでした。レース2は何度かセーフティカーが入ってチャンスもありましたが、ストレートスピードが少し足りず、最後はタイヤも厳しくなりました。今年はインタープロトでまだ表彰台に乗れていなかったので、今回2戦とも表彰台に立てたのは良かったです」

 

#16 ロニー・クインタレッリ(ララパルーザ)

第3戦・第4戦 3位

「思っていたよりグリップがなく、少し難しかったです。レース1は守るレースになりました。レース2は温まったタイヤでスタートできたこともあって、少しずつフィーリングが良くなりました。特に最後のリスタートからの2周は、今回の2レースを通して一番フィーリングが良かったですね。開幕戦はポールポジションを獲れたもののアクシデントでレースに出られなかったので、今回は2レースとも表彰台に乗れて嬉しいです」