IPS INTER PROTO SERIES

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RACEREPORT
2026.06.03

2026インタープロトシリーズPOWERED BY KeePer 第1・2戦レポート

2026年の開幕戦は佐々木大樹が2連勝!

2026 インタープロトシリーズ POWERED by KeePer(IPS)の第 1・2 戦が5月9日(土)・10日(日)に富士スピードウェイで開催。プロフェッショナルレースでは佐々木大樹(Pastel Motorsport)が第1戦、第2戦ともにトップチェッカーを受け2連勝を飾った。

 

今シーズンは3大会・全6戦で争われるIPS。「Kuruma」を使用したインタープロトクラス(IPクラス)と、GR Supra GT4 EVO2を使用するSUPRAクラスの2クラスが設けられている。IPクラスは12台がエントリー。プロフェッショナルレースにはスーパーフォーミュラで活躍する牧野任祐(キーパー号)、山下健太(NAVUL)、阪口晴南(K-tunes Racing)らを筆頭に、小林利徠斗(NETZ NOVEL MIE)、国本雄資(ダイワNアキランドIPS)のSUPER GT・GT500クラスドライバー、そしてロニー・クインタレッリ(ララパルーザ)や佐々木、阪口良平(アキランドIPS)といった実力派が顔をそろえた。昨年のシリーズチャンピオン、卜部和久(INGING MOTORSPORT)も継続参戦。さらに新メンバーとして、KYOJO CUPの初代女王、小山美姫(ヨネタニアキランドIPS)と2020年のIPeSチャンピオン、三浦柚貴(表参道メディカルクリニック)が加わった。最大のニュースは、野尻智紀の復活参戦だ。マツダの人材育成プロジェクトでもある人馬一体ドライビングアカデミーから、久々のIPS出場となる。

公式予選では多くのドライバーがライバルのスリップストリームを使ってトップスピードを稼ぐ作戦に出る中、単独走行のクインタレッリが一度もトップタイムを譲ることなくポールポジションを奪取。唯一の1分45秒切りを達成し1分44秒831をマークした。2番手は同じメンテナンスガレージ、同じエンジニアで戦うチームメイトの佐々木。佐々木に0.05秒差で山下が続いた。

Driver’s Voice
ロニー・クインタレッリ(ララパルーザ)

「昨日の練習走行から、クルマのコンディションも非常に良かったんです。今日は昨日と比べると路面温度がだいぶ高くなってきていましたし、ライバルたちがどれぐらいのスピードを見せるか分からないところはありましたが、まずは自分たちのプラン通り走ろうと。シーズンオフの間、あまり僕自身は走りこんではいなかったのですが、ジェントルマンドライバーの渡邊選手がご自身のトレーニングで走っていた時に、クルマの状況を見てもらっていたんです。それで、予選に向けていい状態を作れていました。こんなすごいメンバーの中、開幕戦でポールポジションを獲れたことは本当にうれしいです!今年は担当エンジニアが変わり、88号車(佐々木大樹選手)と2台を見てくれることになったので、2人で1-2が獲れたことも最高ですよ」

 

予選から一夜明けた決勝日。ポールポジションからの快走が期待されたクインタレッリだったが、ジェントルマンレースで接触アクシデントがあり、車両にダメージを負って出走は叶わず。佐々木が事実上のポールポジションから第1戦をスタートすることになった。9周の超スプリントレースというフォーマットが生み出す接近戦の連続がIPSの醍醐味だが、この第1戦もスタート直後から小林と牧野の5番手争いがヒートアップ。牧野は1コーナーでアウト側から小林に襲い掛かり、コカ・コーラコーナーでオーバーテイクに成功し、順位を落とした小林はさらにダンロップコーナーの攻防で野尻と三浦にもとらえられてしまう。

中団グループが熾烈なポジション争いを繰り広げている間、佐々木、山下、卜部、阪口のトップ争いも白熱。わずかなラインの違いで一気にギャップが縮まっていき、ホームストレートではスリップストリームを使いながら前の車両に迫っていくが、トップの佐々木は山下や卜部からの猛追をブロックし、ポジションをキープする。反対に山下や卜部は佐々木に仕掛けることに集中するとその隙に後ろから阪口が差を詰めてくるとあって、4台の戦いは一瞬も気の抜けない周回が続いていったが、7周目のダンロップコーナーで卜部が山下の扉をこじ開け、2番手に浮上した。

 

中団グループの争いは4周目、アドバンコーナーで野尻が牧野をかわし5番手に上がると、レース後半には徐々にこの2台の争いに近づいてきていた小林が牧野に襲い掛かり、6周目のGRコーナーでオーバーテイク。野尻と小林が山下、阪口の3番手争いに加わると、今度はこの3番手争いが盛り上がりの中心になる。8周目のアドバンコーナーでは激しいタイヤスモークをあげながら野尻が阪口をかわすも、ダンロップコーナーで阪口が抜き返すという、手に汗握るオーバーテイクの応酬が繰り広げられた。

 

先頭を走る佐々木も盤石のトップ快走ではなく、ディフェンディングチャンピオンの#3 卜部和久(INGING MOTORSPORT)、山下らに終始迫られる展開。しかし要所をおさえて9周を走り切り、昨年の第2大会・第3戦に続く2勝目を挙げた。2位は卜部、3位は阪口の追撃を0.39秒差でおさえ切った山下が入った。

 

着順でスタートする第2戦は、佐々木が卜部を引き離して1コーナーへ突入。その後方では野尻が小林をとらえて5番手に浮上する。ただ、第1戦でのハードブレーキングでタイヤを痛めたか、なかなか上位4台グループには追い付けない。

 

スタートでは佐々木に引き離された卜部だったが、2周目の1コーナーでは積極的に仕掛けていき、第1戦同様に佐々木、卜部、山下、阪口のトップ争いは序盤から熱を帯びていった。3周目には、佐々木対卜部、山下対阪口がサイドバイサイドでそれぞれ1コーナーへ。その後方では野尻と小林が100Rで横並びに。野尻がコカ・コーラコーナーの出口でややはみ出してしまいバランスを崩したところを見逃さず、小林が100Rでイン側から並びかけていきポジション奪取に成功した。

佐々木対卜部のトップ争いは3周目のGR GTコーナーで一度目のハイライトを迎えた。このコーナーをコンパクトに回り込んだ卜部が佐々木のイン側に切り込み、2台はサイドバイサイドでホームストレートへ。2台のスリップストリームを使った山下も接近し、3ワイドで1コーナーへと向かっていく。一番アウト側にポジションを獲っていた山下が有利かと思われたが、ストレート後半で伸びてきた佐々木がトップを死守した。

 

レースの折り返しを迎える5周目には上位の争いはいったん落ち着くが、4番手を走る小林が8周目の1コーナーで山下を一気に抜き去り3番手へ浮上。そして最終ラップに入る1コーナーでは卜部が最後のチャンスとばかりに佐々木のインに切り込んで鼻先を前に出す。アウト側に追いやられた佐々木も踏ん張って、コカ・コーラコーナーでは佐々木が先行。2台が争っている間に小林、山下も近づき、トップ争いはクライマックスへ。GR GTコーナーで仕掛けたのは山下で、小林の隙をついて卜部の横に並びかけると、卜部もこれに応戦。3台が争うことでやや楽になった佐々木は最終コーナーから逃げを打つ。一足先にチェッカーを受けた佐々木の背後では、卜部、小林、山下がほとんど横並びでコントロールラインを駆け抜けた。結果は小林が0.003秒卜部に先行し2位、山下は卜部に0.006秒差で4位となった。

開幕2連勝の佐々木は堂々のランキングトップに。2戦連続トップ3フィニッシュの卜部がランキング2位、インタープロトで初表彰台を獲得した小林がランキング3位となっている。

Driver’s Voice
佐々木大樹(Pastel Motorsport)

「2レース目で優勝したのは初めてで嬉しいです。88号車として2レース目で勝つのも初めてなので、オーナードライバーさんがとても喜んでくれていたのも嬉しかったですね。ポールシッターのクインタレッリ選手が出走できなかったことで先頭からレースすることになったのですが、もしクインタレッリ選手が出ていれば激しいバトルになっていたと思います。僕は今シーズン、SUPER GTではリザーブドライバーという立場なので、これがシーズン初レースです。数少ない参戦レースで自分のポテンシャルをしっかりと発揮できたのは、シミュレーターも含めた日ごろのトレーニングが、まだ僕をキープさせてくれているのかなと思います」

小林利徠斗(NETZ NOVEL MIE)

「インタープロトらしいレースができて良かったですし、楽しかったです。行き場のない中で迷っているうちに抜かれてしまったり、タイミングがうまくないことが重なってポジションを落としましたが、常に速さはあったので、ある程度体制が整ってからはどんどん抜いて行くことができました。(オーバーテイクする前にライトをいったん消灯し、横に並んだ瞬間に点灯させるという場面が続いたが?) いやぁ、ただ後ろから相手の様子をうかがっているだけなのもなんだかなぁと思って、何か起こらないかなと思ってやっていました。それで相手を揺さぶれていたらいいんですけどね」

卜部和久(INGING MOTORSPORT)

「2レース全開で休む暇もなく、どこで抜くのが一番いいのか、どうやってレースを組み立てていこうかと、ずっと考えていました。ただ、思うようにはいかなかったですね。SUPRAクラスに出ていた時には片岡龍也選手とやりあって並んだ状態でゴールしたことはありましたが、3ワイドでのゴールは人生初かもしれません。悔しい部分もありますが、切り替えて次戦頑張ろうと思います」

山下健太(NAVUL)

「今週はずっと加速の部分で課題を持っている中、88号車、3号車、32号車とのバトルはしびれましたね。熱ダレもあるのかもしれないですが、僕は結構厳しくて、無理にブロックしようとすると前が逃げてしまうので、いろいろ考えながらのレースでした。ついて行くのが精いっぱいという感じでしたが、最後は卜部選手と小林選手がやりあってくれて近づいたので、『これは行くしかない!』と。でもやっぱり最後は伸びなかったです。こんな横一線のインタープロトは久しぶりで、楽しかったですね」

野尻智紀(人馬一体ドライビングアカデミー)

「全体を見ても、面白いレースになりましたよね。僕は久々のIPS参戦ですが、当時とは違うチーム、違う車両で、同じKurumaでも違う動きをするものだなと勉強になりました。第1戦で阪口選手とのバトル中にフラットスポットを作ってしまい、手負いの状態での後半でしたが、前がバトルしてくれたこともあってそこまで離されずにゴールできたのは、ちょっとホッとしています。インタープロトならではの、気の抜けない接近戦は僕らにとっていい修行になると感じているし、それだけお客さんが見て楽しいと思ってもらえる要素がたくさん詰まっているレースだと思うので、次戦以降もぜひ注目してほしいです」