インタープロトシリーズ

2019レースレポート ROUND3・4

インタープロトシリーズ第5・6戦ジェントルマンレースレポート

2019インタープロトシリーズpowered by KeePer第3大会が富士スピードウェイで行われ、ジェントルマンレースの第5戦はCCS-Rクラスの#5 山口達雄(NTP RACING NN CCS-R)が総合でトップチェッカーを受け、第6戦では#32 永井秀貴(NETZ NOVEL MIE)が難しいコンディションでのレースを制した。

<公式予選>

公式予選は前夜の雨が路面に残り、ウエットコンディションの中でスタート。雲が厚く立ち込め、日差しが差し込まなかったために気温、路面温度ともに低く、特にセッション前半はコースオフする車両も何台かある難しい状況だった。その中、IPエキスパートクラスで勝利を重ねている#32 永井秀貴(NETZ NOVEL MIE)が速さを見せる。セッション序盤に2分06秒台をマークしてトップに浮上すると、さらにタイムを縮めていき、セッション終了には2分04秒046を記録。第5戦のポールポジションを獲得した。

ジェントルマンクラスは今回#73 キーパー号からエントリーした大蔵峰樹が2分06秒187をマークしクラスポールポジションとなった。CCS-Rクラスでは2分07秒442で総合4番手に入る活躍を見せた#5 山口達雄(NTP RACING NN CCS-R)がクラスポールポジションを獲得した。

永井秀貴(#32:NETZ NOVEL MIE / 予選ポールポジション)
「金曜日の走行でも雨が降っていたので、同じような状況かと思っていましたが、全く違いました。路面がすごくスリッピーで何回かコースオフしました。最終ラップで良いタイムを出せましたが、タイヤの内圧設定なども合わせきれず、本当に運転するのが大変な状況でした。でもポールポジションを獲ったことで、決勝レースに向けてひとつ弾みをつけられました」

<第5戦決勝>

ジェントルマンレースの公式予選終了後、青空が見え始めて路面もドライコンディションに回復。第5戦決勝レースのダミーグリッドについたマシンもスリックタイヤを装着した。しかし、いざフォーメーションラップに入ると突然雨が降り出し、瞬く間に路面はウエットコンディションに戻ってしまった。

ドライバーたちは濡れた路面を温まり切っていないスリックタイヤで走行することになり、スタート直後からスピンする車両が続いてしまう。1周目を終えるところで、#96 末長一範(岡山トヨペット K-tunes)、#3FLYING RAT(INGING MOTORSPORT)、 #37八木常治(Pastel Motorsport)、 #8けんたろ(J-Gear8 T-Japan)がピットインし、レインタイヤに交換した。

トップの永井はスリックタイヤで走行を続けトップを死守したが、そこに追いついてきたのがCCS-Rの車両だった。クラスポール、総合11番手からスタートした山口は、オープニングラップで総合5番手まで大きくポジションアップし、2周目には3位、3周目には2位に浮上。6周目のTGRコーナーで永井をかわしてトップに躍り出た。さらに、クラス2番手スタートの#51 卜部治久(P.MU RACING CCS-R)も徐々にポジションを上げ、永井をパス。CCS-Rクラスの車両が総合の1位、2位を占めた。

終盤は山口と卜部による接近戦のバトルが展開されたが、山口が最後までポジションを守りきり、CCS-Rクラスの車両が総合トップチェッカーを受けた。山口はCCS-R初参戦での勝利となった。IPエキスパートクラスは総合3位となった永井。路面が少しずつ乾き始めた11周目に1分59秒196のファステストラップを記録し、意地を見せた。IPジェントルマンクラスは総合5位となった#55 虫谷泰典(人馬一体ドライビングアカデミー)が初のクラス優勝を飾った。

山口達雄(#5:NTP RACING NN CCS-R / 第5戦総合優勝、CCS-Rクラス優勝)
「今までは86のレースに出させてもらっていて、このレースは今回が初めてでした。卜部選手が速いことは知っていたので、どうやって逃げようかなと考えながらスタートしました。1周目にピットインしたインタープロトの方たちがバックマーカーとして(自前に)出てきましたが、そこはうまく処理できたのかなと思います。そこでアドバンテージを得られたので、なんとか乗り切ることができました」

永井秀貴(#32:NETZ NOVEL MIE / 第5戦総合3位、IPエキスパートクラス優勝)
「なかなかタイヤがグリップせず、途中スピンもしたりして大変でした。その中でよく戻って来られたなという感じです。(途中)タイヤ交換をしようか本当に迷いました。96号車と3号車がピットインするところも見ていたので、ピットともやり取りをして“ちょっとスリックで走るのは難しいな”と思っていましたが、なんとか最後まで持ち堪えることができました」

虫谷泰典(#55:人馬一体ドライビングアカデミー / 第5戦総合5位、IPジェントルマンクラス優勝)
「信じられないという気分です。実はクラストップだということを最後の最後まで知らされていなかったので、本当に驚きました。最初に一度滑ってしまう場面がありましたが、そこで一旦(気持ちを)リセットして、そこから落ち着いていくことができました。スリックタイヤでしたし、山下健太選手からも『最後まで我慢大会ですからね!』とアドバイスもいただいて、ある程度シミュレーションができましたし、最後は安定して走ることができました」

IPエキスパートクラス表彰台
IPジェントルマンクラス表彰台
CCS-Rクラス表彰台

<第6戦決勝>

10月20日(日)に行われた第6戦決勝レースは、前日の雨が残ってウエットコンディションとなり、路面が滑りやすいことから、セーフティカー先導でレースのスタートが切られることとなった。各車が隊列を組んで周回し、4周目にセーフティカーが解除されると、ポールポジション永井が順調なペースで後続を引き離した。

2番手には、第5戦IPジェントルマンクラスで初優勝を飾った虫谷がつけていたが、5番グリッドから好ペースで追い上げてきた#73 大蔵峰樹(キーパー号)が、5周目に虫谷をオーバーテイク。大蔵はそのままトップの永井を追いかけたが、その差は開いていく。永井は6周目に2分03秒010のファステストラップを記録すると、レース終盤もタイヤを労わりながら安定したペースで周回。最終的に2位に15.5秒もの大差をつけてトップチェッカーを受け、IPエキスパートクラス今季5勝目を飾った。総合2位の大蔵はIPジェントルマンクラス初優勝となった。

CCS-Rクラスは、第6戦も山口と卜部治久の一騎打ちとなった。レース序盤は山口が先行したが、6周目に卜部が逆転。その後も両者一進一退の攻防は続き、残り2周のところで山口が再逆転を果たし最終ラップに突入するも、コカ・コーラコーナーの出口で挙動を乱した隙を見逃さなかった卜部が再びオーバーテイク。そのまま最後まで接近戦のバトルは続いたが、ポジションを守り抜いた卜部が、CCS-Rクラストップチェッカーを受けた。

永井秀貴(#32:NETZ NOVEL MIE / 第6戦総合優勝、IPエキスパートクラス優勝)
「第5戦での経験も踏まえていきましたが、その分安定してタイムを出すことができました。ただ、レース後半は路面が乾き始めていたので、タイヤには厳しい感じで運転しにくい状況でした。最後はかなりコントロールしながら走っていました。後続とはギャップもあったので、そこでうまく調整できたのが良かったです」

大蔵峰樹(#73:キーパー号 / 第6戦総合2位、IPジェントルマンクラス優勝)
「タイヤがうまく温まって、1コーナー(TGRコーナー)のブレーキングでだいぶグリップするなと思って、コカ・コーラコーナーでもグリップ感を感じられました。序盤、周りがまだペースを上げられていない間にいってしまおうと思ったのですが、前半にタイヤを相当使ってしまって、後半はきつかったですね。ラスト3周くらいになって3号車に一気に追いつかれましたが、なんとかポジションを守れてよかったです」

卜部治久(#51:P.MU RACING CCS-R / 第6戦CCS-Rクラス優勝)
「山口選手は最終コーナーが速く、僕はヘアピン(ADVANコーナー)の入り口かBコーナー)ダンロップコーナーの入り口しかチャンスがないという状況でした。最終ラップは向こうがAコーナー(コカ・コーラコーナー)の立ち上がりでバランスを崩して、そこから並走してオーバーテイクできました。クルマと路面状況が今回は合っていなかったので、次戦は完ぺきな状態で勝負したいですね」

IPエキスパートクラス表彰台
IPジェントルマンクラス表彰台
CCS-Rクラス表彰台

インタープロトシリーズ第5・6戦プロフェッショナルレースレポート

2019年のインタープロトシリーズ Powered by KeePer第3大会が富士スピードウェイで開催され、プロフェッショナルレースでは、第5・6戦ともポールポジションからスタートした#32 坪井翔(NETZ NOVEL MIE)が優勝を飾った。

今回はIPクラスが10台、CCS-Rクラスが4台エントリー。IPクラスでは、世界耐久選手権(WEC)にデビューし注目を集める山下健太が#55 人馬一体ドライビングアカデミーに復帰。また#8 J-Gear8 T-Japanには富田竜一郎、#44 NTP RACING IPSには細川慎弥が乗り込んだ。

<公式予選>

公式予選は、霧による視界不良によりスケジュールが変更となり、予定より25分遅れでスタートすることになった。路面は濡れていたものの、セッション開始直前になって太陽が顔を出し、急速にコンディションが回復していく難しい状況の中での予選となった。グリーンシグナル点灯と同時に各車がコースインしていく中、山下は終盤でのタイム更新を狙い、最初の数分はピットで待機するという作戦を採った。

セッション後半は路面の水の量も減り、各車ともタイムを更新していったが、その中で速さを見せたのは坪井。残り2分のところで2分01秒365をマークすると、最終ラップには2分01秒181を叩き出し、今季初ポールポジションを獲得した。坪井は前日までオートポリスでのSUPER GTテストに参加していたため、この週末はぶっつけ本番で大会に臨んでいた。「こっちもたくさんテストをしたいと思っていたので不安でした」というが、ポールポジションを獲得でき安堵の表情を見せていた。

2番手には山下。坪井に0.225秒及ばず、「完全に晴れていたので、前半から走るよりは後半に照準を絞ったのですが、ある意味で一発勝負になってしまって、合わせ切れなかったですね」と悔しい表情を見せた。

3番手には当初#96 中山雄一(岡山トヨペット K-tunes)が入っていたが、ランオフエリア走行によりタイムが採択されず、#37 阪口晴南(Pastel Motorsport)が3番グリッドを手にした。

坪井翔(#32:NETZ NOVEL MIE / 予選ポールポジション)

「実は予定していた時間に九州から戻ってくる飛行機が飛ばず、予選に間に合うか、という状況だったんです。心配していましたが、無事に間に合って予選に臨みました。ぶっつけ本番で何も分からなかったので、もう行くしかないなと思っていました。雨は前回の練習走行で走りましたし、インタープロト自体は慣れているので、最初の10分でリズムを掴んで、最後の5分でタイムを出せれば…というイメージでした。最初はグリップ感がない中で走っていて、徐々に路面が乾き始めているのが分かったので、最後の1周が勝負だと思って位置取りなどをしていきましたが、最後はタイミング良くアタックができました」

<第5戦決勝>

決勝レースは曇り空ではあるものの、路面はドライコンディションとなり、まずは第5戦が9周で争われた。毎回、その駆け引きにも注目が集まるローリングスタートでは、坪井翔が好ダッシュを決めてトップのままTGRコーナーへ。2番手スタートの山下が坪井に続いた。3番手の阪口と4番手の#7 野尻智紀(J-Gear7 とおる君)は激しいポジション争いを展開したが、5番手スタートの#16ロニー・クインタレッリ(ララパルーザ)がその隙を突いて3番手に浮上。トップ2台を追いかけた。

2周目のTGRコーナーでも各所でバトルが白熱したが、野尻がTGRコーナーでスピンを喫し最後尾まで後退。さらに6周目には#3 石浦宏明(INGING MOTORSPORT)がトラブルのためピットインし、そのままリタイアとなってしまった。

トップ争いは坪井、山下、クインタレッリによる三つ巴のバトルに。一進一退の攻防戦を繰り広げていくが、それぞれのポジションは変わらず最終ラップに突入。そのTGRコーナーで山下がトップ攻略を狙ったが、坪井は冷静に対処し、最終的に0.162秒で第5戦を制した。2位に山下、3位にクインタレッリが続いた。

<第6戦 決勝>

第5戦の決勝順位のまま、すぐに隊列を整えて第6戦のスタートが切られた。ここで速さを見せたのが4番手スタートの中山。スタート直後にクインタレッリをかわすと、2番手の山下に迫っていった。
一方その後方では、各所で激しい戦いが繰り広げられた。5周目には阪口と細川の6番手争いが白熱。ほぼ1周に渡ってサイドバイサイドのバトルが展開され、阪口が6番手を勝ち取った。

上位争いに目を転じると、7周目のTGRコーナーで中山が山下のオーバーテイクに成功し2番手に浮上。山下は徐々にタイヤが消耗してきたのか、後続の#73 福住仁嶺(キーパー号)、クインタレッリにも追いつかれ、3台による表彰台の一角をめぐる戦いになる。最終ラップは3台が横並びとなるほどに激しさを見せ、一時は福住が3番手に浮上するが、山下が福住を抜き返して3番手を取り戻すと、さらに最終コーナーをコンパクトに回ったクインタレッリが福住をかわして4番手に浮上。コントロールラインまで手に汗握るバトルが展開された。

トップ争いは、 中山の追い上げに屈しなかった坪井が2連勝をマーク。ジェントルマンレースのエキスパートクラスで同じ#32 NETZ NOVEL MIEのマシンを駆る永井秀貴も2連勝を飾り、チームにとっては最高の週末となった。2位となった中山は3大会連続で表彰台を獲得。注目の3位争いは山下が先着し表彰台を獲得。4位にクインタレッリ、5位に福住という結果になった。

坪井翔(#32:NETZ NOVEL MIE / 第5戦・第6戦 優勝)

「今まで2レース目のみ勝ったことはありましたが、こうして2レースとも優勝できて嬉しかったです。またチームも参戦3年目で、初めてプロクラスで優勝できたということが良かったです。何より永井選手と週末で合計4連勝できたので、僕たちにとって本当に最高な週末だったと思います。本来は2レース目に向けて1レース目でペースをコントロールしたかったのですが、山下選手のペースが良くて、僕も必死でした。2レース目の終盤に中山選手が追い上げてきて、ちょっと難しいレースでしたが、一度もトップを譲らずに走り切れたことは、すごく自信にもなりますし、本当に良いレースができました。次の2戦も優勝できるように頑張りたいです」

中山雄一(#96岡山トヨペット K-tunes / 第5戦:4位、第6戦:2位)

「予選では4輪脱輪(ランオフエリア走行)で3位のタイムが抹消になってしまって、7番手からのスタートとなりました。しかし、今年はドライコンディションではずっと調子が良いので、追い上げて行くことができました。それでも1レース目は血気盛んな若いドライバーたちに迫られていましたが、なんとかポジションを守って4位で終えることができました。2レース目はみんなトップを狙っていて、スタートからものすごく駆け引きがありましたが、そこでうまく隙を突いていけました。2レース目の方が僕のクルマは良くなっていて、周りのタイヤがタレてきている中で、追い上げることができました。ただ最後は坪井選手には届きませんでした。トップ3圏内でスタートできていれば2レースかけて攻略できたかもしれませんが、今回はトップに追いついたタイミングが遅かったですね」

山下健太(#55 人馬一体ドライビングアカデミー / 第5戦:2位、第6戦:3位)

「正直、最初から最後まで遅かったですね。1レース目はスタートの時点で後ろが離れて(坪井選手と)2台の争いになりました。でも、コーナー区間で離されて、ストレートでスリップストリームを使って追いつくという展開を繰り返す状態で、追い抜けるような速さはなかったです。坪井選手のおかげで彼についていくことができた感じでした。2レース目はスタートもうまく行かず、後ろから攻められる形になりました。中山選手が速そうだったので、彼に先に行ってもらって、坪井選手とバトルしている間に隙を突こうと考えていたのですが、実際にはそんな余裕もなく、最終ラップもクインタレッリ選手と福住選手と大変なバトルとなりました。でも3位は何としても守ろうと思って走りました」

ロニー・クインタレッリ(#16 ララパルーザ / 第5戦:3位、第6戦:4位)

「1周目でうまく隙間を見つけて3番手に上がれました。その後のペースも良くて、前の2台と同じようなペースで走っていましたが、なかなか追い抜けるだけの力がなかったですね。タイヤのパフォーマンスは安定していたので2レース目は期待できるかなと思っていましたが、ギアのトラブルが発生してしまいました。その中で最後は福住選手を抜いて4位に入ることができたのは良かったです。本当はトップ争いをしたかったですが、レース中はグリップ感もあって久しぶりに気持ちよくレースができました。クルマのベースも今はかなり良いので、最終戦ではもっとパフォーマンスを向上させて臨みたいと思います」

CCS-Rクラスでは、4人中3人がCCS-Rに初エントリーのドライバー。#10 山内英輝(NTP RACING PN CCS-R)は第2大会に続き2度目のエントリーとなった。公式予選では経験値のある山内が2分04秒326をたたき出してクラスポールポジションを獲得。#87 佐藤公哉(NTP RACING NC CCS-R)、#5 谷川達也(NTP RACING NN CCS-R)と続いた。

第5戦はポールポジションからスタートした山内が安定した走りでクラス優勝を飾り、佐藤が2位表彰台を獲得。谷川をかわした#51 高木真一(P.MU RACING CCS-R)が3位となった。続く第6戦では、山内は更にリードを広げて2連勝。佐藤、高木と第5戦同様の顔ぶれが表彰台に並ぶこととなった。

CCS-Rクラス 山内英輝(#10 NTP RACING PN CCS-R / 第5戦、第6戦:優勝)

「1レース目は後続が全然追いついてくる気配がなかったので、2レース目に向けてタイヤを温存しました。今回は僕以外の3人がCCS-Rでのレースが初めてだったので、逆に『(ペースを落として)3人で合わせているのかな?』と戸惑いながらのレースでしたが、全体的にうまく進められました。次回は松井孝允選手が戻ってくると思うので、彼に負けないように色々考えて準備していきたいと思います」