インタープロトシリーズ

2019レースレポート ROUND3・4

インタープロトシリーズ第3・4戦ジェントルマンレースレポート

2019年のインタープロトシリーズ Powered by KeePerの第3・4戦が8月31日(土)、9月1日(日)に富士スピードウェイで行われ、ジェントルマンレース第3戦は、今季初参戦となる#73 小山美姫(キーパー号)が初優勝。第4戦は#32 永井秀貴(GR Garage Yokkaichi)が今季3勝目を挙げた。

<公式予選>

公式予選は8月31日(土)午前9時から20分間で行われた。ドライコンディションでセッションがスタートすると、KYOJO-CUP2年連続チャンピオンに輝いた#73 小山美姫(キーパー号)が速さを見せる。開始から約10分、計測5周目に1分47秒473を記録しトップタイム。残り時間でさらにタイムを削るべく周回するものの、残念ながら更新はならず。それでも2番手に1秒以上の差をつけポールポジションを獲得した。開幕2連勝を飾っている#32 永井秀貴(GR Garage Yokkaichi)がフロントロー。総合3番手に入った#96 末長一範(K-tunes Racing)が1分49秒699でジェントルマンクラスポールとなった。CCS-Rクラスでは#51 卜部治久(CERUMO CRA)がクラスポールポジションを獲得した。

小山美姫
「早い段階でポールポジションを獲得できるタイムは出せたのですが、今回はプロクラスのタイムも意識して、1分46秒台を狙っていました。そこを目指して何度もアタックを繰り返しましたが、他の車両に引っかかってしまい、満足のいくアタックができずに終わってしまったのは悔しいですね」

<第3戦 ジェントルマン決勝>

午後1時30分から行われた第3戦の決勝レース。予選総合4番手だった#16 渡邊久和(ララパルーサ)がエンジントラブルにより決勝出走を断念することとなり、IP車両は10台がスターティンググリッドについた。

スタートではポールポジションを獲得した小山がトップでTGRコーナーを通過。2番手の永井がチャンスを伺ったが小山を逆転することはできなかった。2周目に入ったTGRコーナーで#8 けんたろ(J-Gear8 T-Japan)、#7 とおる君(J-Gear7 とおる君)、#25 高橋照夫(TAO Racing)が絡むアクシデントが発生。#7 とおる君は2コーナー手前にマシンを止めてリタイア。残る2台は再スタートを切ったものの、#8 けんたろは3周を終えたところでピットインし、マシンをガレージに収めることに。後方では7番手争いが白熱し、6周目のTGRコーナーで#37 八木常治(Pastel Motorsport)が#44 横井克一郎(NTP RACING IPS)をオーバーテイクし、7番手に浮上した。

結局、スタートから一度もトップを譲らなかった小山は最終ラップに1分48秒119のファステストラップを記録し、インタープロトシリーズ初のトップチェッカーを受け、エキスパートクラス初優勝を飾った。2位は永井。3位にはジェントルマンクラスの末長が入り今シーズンではジェントルマンクラス初勝利を獲得し第4戦でも見事連勝を果たした。

CCS-Rクラスはクラスポールの卜部がトップのままレースが進んだが、#5 今井孝(NTP RACING NN CCS-R)のペースが良く、特にレース後半は1秒前後の接近戦の状態が続いた。「向こうのペースが良くて、なかなか引き離せなかった」という卜部は、懸命にポジションを死守しファイナルラップを迎えると、最後までポジションを守り抜きクラス優勝。2位の今井との差はわずか0.445秒だった。また3位には#10 天野雅仁(NTP RACING PN CCS-R)が入った。

小山美姫(エキスパートクラス優勝)
「翌日もレースがあるので、タイヤをセーブして走りました。クルマを壊さないようにすることも心掛けましたね。私自身、インタープロトシリーズに出るのは4年ぶりなので、どれくらいセーブしたらいいのかなどは手探りの状態でしたが、最低でも10秒以上引き離して、ファステストラップを獲得できればいいと思っていたので、それはクリアできました」

末長一範(ジェントルマンクラス優勝)
「午前中の予選から調子から良かったので、(決勝1レース目でも)予選通りの走りができれば、表彰台の良いところにいけるのかなと思っていました。順当に良いスタートが切れて、なるべく前の2人についていこうと思いましたが、最初の方から離されてしまって、なかなかうまくいきませんでした。でも、自分のペースで走れていたので、それが結果につながって良かったです」

卜部治久(CCS-R優勝)
「今回は相手(今井選手)が強かったですね。途中でギャップが離れるタイミングはあったんですけど、向こうのペースが良かったです。ただ、トップにいるし、ピットのみんなも観ているので、何としても頑張らないといけないなと思って走っていました。終盤は向こうもタイヤが苦しくなってきたみたいで、それに助けられました」

<第4戦 決勝>

9月1日(日)午前9時15分から行われた第4戦の決勝レース。前日のアクシデントでマシンを破損していたとおる君、けんたろは修復が完了。渡邊もトラブルの修復が終わり、スターティンググリッドについた。

前日の第3戦の結果順でグリッドが決まり、小山と永井がフロントローに並んだ。第3戦ではスタート直後に永井に並ばれるシーンもあった小山だが、その反省を生かし1周目から隙をみせない走りを披露した。一方の永井も第3戦からマシンセッティングを大幅に変更。これが功を奏し、序盤から小山に食らいついていく。それでも小山のペースは安定しており、徐々に永井を引き離していった。

小山の2連勝は確実かと思われたが、レース後半に、小山にドライブスルーペナルティが言い渡された。実はスタートの瞬間、青ランプがつく前に加速していたとして、それがペナルティ対象となったのだ。これで小山は9周目にペナルティを消化し3番手に後退。トップに浮上した永井は最後まで着実な走りを見せトップチェッカー。エキスパートクラスで今季3勝目を挙げた。2位には前日同様に末長続き、ジェントルマンクラスで連勝を飾った。

一方、CCS-Rクラスは第4戦も卜部と今井の一騎打ちとなった。前日の第3戦で逆転が叶わなかった今井は序盤からペースを上げて仕掛けようとするが、卜部も前日からマシンを改善して来たこともあり、今井に横に並ばせる隙を与えなかった。こうして、ふたりの一進一退の攻防は最後まで続いたが、粘り強くトップを守った卜部が1.728秒差でゴール。開幕4連勝を飾った。惜しくも2位となった今井は「まだまだ未熟でした。次回また機会があれば、リベンジさせていただければと思います」と語った。3位には2戦連続で天野が入った。

永井秀貴(エキスパートクラス優勝) 
「嬉しいんですけど、結果的に“棚ぼた”ですし、(小山選手に)技術的に負けていて、大きく引き離されてしまったのが何より悔しいです。でも、チームから確実に完走してポイントを稼ぐように言われていたので、そこは良かったです。第3戦では最初の1~2周くらいしかペースが持たなかったので、レースが終わってからセッティングを変えてもらいました。それが第4戦では良い方向に向かって、第3戦と比べるとギャップも縮められていました。チームの頑張りに感謝したいです」

末長一範(ジェントルマンクラス優勝)
「今回もチームのおかげでマシンのセッティングが決まっていたので、スタートから良いレースができました。また次も頑張りたいと思います」

卜部治久(CCS-R優勝)
「第3戦での内容を踏まえて、ギアやタイヤの使い方を工夫して臨みました。今回は色々新しいトライもしていて、第3戦では上手くいかないところもあったのですが、そこはクルマのセッティングや自分のドライビングも変えて、結果的にある程度作戦通りに行ったかなと思います。その結果、第3戦と比べると(今井選手に)並ばれる回数は減りましたし、前半は苦しかったですけど後半は少し余力が出ました。でも(接近戦のバトルは)疲れるので……ほどほどにしてもらえると助かるなと思いました(笑)」

インタープロトシリーズ第3・4戦プロフェッショナルレースレポート

2019年のインタープロトシリーズ Powered by KeePerの第3・4戦が8月31日(土)、9月1日(日)に富士スピードウェイで行われ、第3戦は#7 野尻智紀(J-Gear7 とおる君)、第4戦は#96 中山雄一(岡山トヨペット K-tunes)が今季初優勝を果たした。

今大会からKeePer技研株式会社がシリーズの冠スポンサーとなり、KeePerのカラーリングが施されたマシン「#73 キーパー号」が登場。そのマシンには、現在SUPER GT(GT300クラス)とスーパーフォーミュラに参戦している福住仁嶺がプロクラスでエントリーし、ジェントルマンクラスではKYOJO-CUPで2年連続チャンピオンに輝いた小山美姫が参戦した。

<公式予選>

8月31日(土)午前10時から、プロフェッショナルクラスの公式予選がスタート。まず好タイムを出したのは中山で、開始7分のところで1分46秒508をマークしトップに躍り出た。他のドライバーがなかなかタイムを更新できず、このまま中山がポールポジションかと思われたが、セッション終盤にタイムアタックを行なった野尻が1分46秒414を叩き出し、残り2分のところでトップに浮上。このままセッションが終了し、野尻が自身IPS初のポールポジションを獲得した。2番手に中山、3番手には今回初参戦となる#73 福住仁嶺(キーパー号)がつけた。この上位3人まで0.1秒以内にひしめくという接戦の結果となった。CCS-Rクラスは開幕2連勝と好調な#87 松井孝允(NTP RACING NC CCS-R)が1分51秒122でポールポジションを獲得した。

野尻智紀
「IPSで初めてのポールポジションを獲ることができて、嬉しいです。周りから色々な情報をもらいつつ、予選用にセットアップしたのが良かったのかなと思います。タイヤの特性やクルマのセットアップを含め、(予選に対しては)今ひとつのところがありました。新品タイヤも今までは練習走行であまり履いたことはなかったですが、今回はお願いをして練習走行で使わせてもらいました。そこも大きかったと思います。(今回の参戦メンバーは)非常にレベルが高いです。1回順位を落としてしまうとなかなか上がれないでしょうし、各車のギャップもあまり離れないようなレースになると思うので、最後まで粘り強く行きたいなと思います」

<第3戦決勝>

第3戦決勝レースは9月1日(日)午後3時40分にスタート。コースインを前に、サーキットでは8月31日(土)にベルギーのスパ・フランコルシャンで行われたFIA F2選手権のレース中に事故死したアントワーヌ・ユベール選手への哀悼の意を表し、黙とうが捧げられた。

9周で争われた第3戦は、ポールポジションを獲得した野尻がスタートダッシュを決めてトップで1コーナーを通過。福住が中山をかわし2番手に浮上した。一方、後方では#8 宮田莉朋(J-Gear8 T-Japan)が他車と接触しスピン。再スタートを試みたが、コカ・コーラコーナーでマシンを止めリタイアとなってしまった。

今回初参戦となる福住は、トップの野尻も攻略にかかったが成功せず。逆に中山に隙を突かれ3番手に後退した。「これまでストレートスピードが遅いことに悩まされていましたが、第2戦を前にチームが原因を究明してくれました」という中山は、徐々にペースを上げて 野尻に迫っていった。

レース中盤に入ると3番手争いが白熱。コース後半の第3セクションでのペースが良くなかったという福住に、インタープロトでは経験豊富なドライバーたちが襲い掛かった。4周目のパナソニックコーナーでは#32 坪井翔(NETZ NOVEL MIE)が福住のサイドに飛び込み3番手に浮上すると、そこで出来た隙を利用して#37 阪口晴南(Pastel Motorsport)が5周目のTGRコーナーで福住のオーバーテイクに成功。これで福住は5番手に後退することになった。トップの野尻は中山の追い上げを振り切り、トップチェッカーを受けて開幕3連勝を飾った。中山は僅か0.7秒差で悔しい2位。3位には 坪井が続いた。

<第4戦決勝>

各車は第3戦の結果順ですぐにグリッドに並び、第4戦がスタート。ここでも野尻がスタートからトップを死守。一方、3番グリッドからスタートした坪井は隣に並んでいた 阪口に抜かれいったん4番手に下がるが、1周目のパナソニックコーナーで逆転を果たし3番手の座を取り戻した。これに対し阪口は2周目のTGRコーナーで再び坪井を抜き返そうとインに飛び込むが、ブレーキングで止まりきれずにオーバーラン。坪井は3番手キープに成功し、トップ2台の追い上げにかかった。

その後方、4番手争いは若手とベテランが入り乱れ激しい争いに。5周目には#25 松田次生(TAO Racing)と福住がサイドバイサイドでTGRコーナーに進入していったが、松田は止まり切れずにオーバーラン。また、福住もコーナーの出口で走行ラインを膨らませてしまう。その背後には、先ほどの坪井とのバトルで大きく順位を下げてしまっていた阪口が。松田、福住のバトルからチャンスをうかがっていた阪口はこの隙を見逃さず、4番手の座を取り戻した。

レース中盤に入ると野尻、中山に坪井が加わり、トップ3台が集団から抜け出る格好となった。その中でもペースが良かった中山は6周目のTGRコーナーでアウトから仕掛けると、そのままコカ・コーラコーナーまでバトルを展開し、トップに浮上。さらに坪井も野尻に襲いかかり、7周目のパナソニックコーナーでインから抜いて2番手を手にした。勢いに乗る坪井は中山との差を縮めにかかったが、最後まで安定した走りを見せた中山がトップチェッカー。今季初優勝を飾った。

2位には坪井、3位には野尻が続いた。KeePerのカラーリングで参戦した福住は両レースとも5位。「今シーズンはスーパーフォーミュラでも5位が続いて『また5位か!』と正直思いました。でも、初めてのインタープロトはとても勉強になったし、良い刺激にもなりました。次は10月でコンディションも変わってくると思いますが、その中で少しでもチャンスをものにできるようにしたいです」と初参戦の感想を語った。

中山雄一(第3戦:2位、第4戦:優勝)
「1レース目ではスタート後の1コーナーでブレーキをロックしてしまい福住選手に抜かれてしまいました。でも、その後にダンロップコーナーで抜き返すことができ、後ろの集団から抜け出せたことが、今回の重要な局面だったと思います。2レース目の野尻選手と坪井選手のバトルでは、これまで96号車はストレートスピードが周りに対して遅かったのですが、今回チームが原因を見つけてくれました。それでエンジンパワーが戻って、ストレートでみんなと勝負できるようになりました。野尻選手を抜いた後は坪井選手が迫ってくる展開で、久しぶりに緊張したレース終盤でした。96号車は今回のような夏の暑い時期が苦手でしたが、残りは涼しい時期のレースなので、そこではもっとマージンを持って戦えると思います」
野尻智紀(第3戦:優勝、第4戦:3位)
「1レース目は後ろがバトルしている間に逃げることができましたが、僕としては次のレースを見越してペースをコントロールするほどの余裕は正直なかったです。もっと余力があれば、後ろとの距離を見ながら調整できましたが、1レース目からけっこう全開でいっていて、それが2レース目に響いてしまいました。マシンのフィーリングに関しても改善点はまだあると思うので、次戦に向けてしっかりと準備をしたいなと思います。またたくさん勝てるように頑張ります」
坪井翔(第3戦:3位、第4戦:2位)
「予選での感触があまり良くなくて、決勝でこんなに速く走れると思わなかったです。1レース目からペースがよくて3番手に上がることができましたが、2レース目はスタートを失敗してしまって阪口選手に抜かれてしまいました。『ここで3番手争いをするとトップ2台に逃げられてしまう』と思って、なんとか彼らを振り切ってトップ2台を追いかけました。野尻選手を抜くことができましたが、中山選手には届きませんでした。あと1周あれば……という感じでしたが、6番手スタートだったことを考えれば、すごく上出来な内容だったと思います」

<CCS-Rクラス第3・4戦>

CCS-Rクラスは、ポールポジションを獲得した#87 松井孝允(NTP RACING NC CCS-R)が、序盤から順調な走りを見せ、2番手の#10 山内英輝(NTP RACING PN CCS-R)に対して4.5秒の差をつけて優勝した。このまま第4戦も松井の独走になるかと思われたが、序盤から山内が背後にピッタリとつける接近戦のバトルとなった。それでも「スタート以外は並ばれそうになるシーンはなかった」という松井。最後まで隙を見せない走りを披露し、このレースも勝利。開幕4連勝を飾った。2位には山内、3位には#5 阪口良平(NTP RACING NN CCS-R)が続いた。

松井孝允(第3戦:優勝、第4戦:優勝)
「今回はスタートもそうですし、レース中も後ろが離れることはないだろうということは分かっていたので、精神的には苦しかったです。でも、こういう展開になるのは、ある程度想像していました。多分、前回のままのクルマだとダメだろうというのは分かっていたので、今回は少し攻めたセッティングでクルマを持ち込んでもらっていました。それが良い方向に働きました。予選も決勝も0.2秒くらいのペースの差だったと思いますが、そういった部分の積み重ねだったと思います」